中医学とは、人体の生理、病理を診断し予防、根本治癒を
目的としていますが、その基本となる『中国三大古典』というものがあります。
今回はその三大古典のお話です。
1.中国に現存する最古の医学書の『黄帝内経(こうていだいけい)』
春秋戦国以前の医療成果と治療経験をまとめたもの
病気の診断と治療、予防などを解説している。
この本によって中医学の理論的基礎が固まったと言われている。
人体の骨格、血管の長さ、内臓器官の大きさなど、ほぼ現在の西洋医学での事実と一致している
2.現存する最古の中薬書『神農本草経(しんのうほんぞうきょう)』
365種の薬物を効果によって上品、中品、下品に分類させた。
上品=無毒で毎日服用しても良いが効果は薄い。
中品=病気を予防する効果はあるが、使い方によっては毒になる。
下品=病気を治す効果はあるが、毒性が強いもの。
3.現存する最古の臨床医学書『傷寒雑病論(しょうかんざつびょうろん)』
三国時代に書かれた書物で、生薬を組み合わせ
様々な病気の治療を記した。
中国・数千年の歴史を経て、現在に伝わる中医学~そして薬膳。
今回は、薬膳を学ぶ上で欠かせない中医学、その源流ともいえる
歴史をテーマに重要な書物として伝わる「三大古典」についてご紹介させていただきました。
次回は五味(五つの味)の働きについて触れてまいりたいと思います。